お知らせ/言つくばの紹介[2020年4月14日]

Last-modified: Wed, 15 Apr 2020 13:58:47 JST (1475d)
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言つくば主催の宮腰氏から「言つくばの紹介」をいただいたので以下掲載します。ちなみに歴つくば(第6回)は言つくばと合同開催しました。

フランスの言語学者キュリオリ (Antoine Culioli) の言葉
「これからの言語学者は言語学以外の知識を身につけなければならない.そうでなければ言語学の研究が何であるかが見失われるだろう.」
[出典 青木三郎 (1993)「パリ第七大学言語学コロキアム報告」『フランス語学研究』27, 86-87.]

もちろんこの言葉の裏には相当な理論的蓄積と学問的バックボーンがある。このことをふまえて現代に目を向けたい。「言語学」や「情報科学」という固有の学問名を出すまでもなく、我々が「ことば」と認識する「何か」をめぐる学問的な営みは時の流れとともにかなり大きな分野に広がっていることは疑えない。

特定の学問領域に制度的に帰属しながら、勉強や研究をしていると、よく「〇〇のやっている研究は~~学の研究じゃない」という言葉に遭遇する。 (そしてこれを社会的・学問的に権威ある人物が言うからなおさら恐ろしいのだ) 考えてみるとおそらくこの文を発する話者は「~~学」の輪郭をはっきりと認識し、その線引きを述べられるからこそこのような文を発するのだろう。しかし、この「線引き」を明示できる人間はさほどいないように思えるし、ある意味で、こういった文を述べる行為は暴力的なようにも思える。こういった状況を踏まえておそらく肝要なのは、「外側 (と思われる領域) 」と (いかなる意味におけるものかはあえて定義しない) 「対話」を試みることではないだろうか。「ことば」に関わる諸学問の現状ではこの営為がまだまだないがしろにされているようにも思える。

「言つくば (ことつくば) 」の今日の姿の背景には上述のような議論がある。そのため「言語学」という特定領域を喚起させる「げんつくば」ではない「ことつくば」なのだ。ただ現実がこんなに堅苦しいわけではないし、上述の議論に同調する必要は全くない。とてもゆるーーーい感じで、授業や演習の中で言ったら先生や先輩にすごいドつかれるかもしれないような大胆な仮説について話すのもアリ、単純に特定の「ことば」への「愛」を語るのもアリ、「この分野すげーんだぜ」という紹介もアリ、卒論の準備につかうのもアリ。とにかく「ことば」をめぐる「お楽しみ会」を目指している。

これまで数回開催。規模は毎回異なる。
次回の開催は未定。そして学内に主催者に加わる新たな人材を募集している。領域不問。
参加希望や詳細については以下の連絡先にジャンジャカ訪ねてきてほしい。

連絡先(言つくば)
宮腰 駿 (みやこし・しゅん)
筑波大学人文・文化学群人文学類言語学主専攻一般言語学コース3年 (フランス語学)
s1810119【at】s.tsukuba.ac.jp ※【at】を@に変えてください
twitter @buroderu